かねぽんブログ

日常的な多ジャンルの雑記ブログ

センスの磨き方を学べる本「センスは知識からはじまる」

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今回は、「センス」についての考え方を著した作品を紹介します。

 

「センスは知識からはじまる」

 

 

本ブログの内容とは主題がずれますが、まずは私が本書を読もうと思ったきっかけを紹介します。

 

下のYoutubeの動画によって本書と出会うことができました。

 


記憶に残る、iPadの読書術!!iPadOS × Goodnotes5

 

 この動画はiPadを活用した読書術を紹介しているものです。

その読書術を紹介している中で本書をお勧めしており、面白そうだなと思ったので私も手に取ってみた、という流れです。

 

(もともと私はタブレットで読書することが多かったのですが、もっと効率的な読書方法はないのかなと思って探していたところこの動画を見つけました。)

 

 

というわけで、前置きがちょっと長くなってしまいましたが、本題の作品紹介をしていきます。

 

作品紹介

“センス”とは、特別な人に備わった才能ではない。それは、さまざまな知識を蓄積することにより「物事を最適化する能力」であり、誰もが等しく持っている。今、最も求められているスキルである“センス”を磨くために必要な手法を、話題のクリエイティブディレクターが説く!

 

公式概要より

 

作者は水野学さんです。

グッドデザインカンパニー代表であるとともに、慶應義塾大学の準教授でもあります。

 

筆者がこの本を書こうと思ったきっかけは、「センス」についての誤解を解き明かすためだそうです。

 

筆者が講演会などで話した後、「結局センスの問題でしょう」ということを言われることが多いそうです。

ただ、筆者は自分が特別な人間だからできるのではなく、方法を知ってやるべきことをやれば誰でもできるというものがセンスだと主張しています。

その思いを表明するために筆者は本書を執筆しました。

  

センスとは何かを定義する

センスとは、数値化できない事象を最適化することである

「センスのよさ」とは、数値化できない事象の良し悪しを判断し、最適化する能力である

 

このように筆者はセンスを定義しています。

 

例えば、おしゃれもかっこよさも数値化することができません。

そのシーン、その時に一緒にいる人、自分の個性に合わせて服装の良し悪しを判断し、最適化する必要があります。

これが、数値化できない事象だということです。

 

まず「普通を知ること」が必要である

センスを上げるために必要なこととして、「普通を知ること」が重要だと筆者は述べています。

「普通」こそセンスの良し/悪しを判断できる唯一の道具だということです。

「いいもの」、「悪いもの」の両方を知ったうえで、「一番真ん中がわかる」がセンスを考える上での基準となります。

 

例えば、ビートルズについて聞かれているときに、素人が「すごいんだよ」というのと、坂本龍一さんが「すごいんだよ」というので、説得力が違いますよね。

 

音楽のプロである坂本さんは音楽についての豊富な知識をもっていて、ありとあらゆる角度からビートルズを測ることができます。

その結果の「すごいんだよ」だからこそ、説得力があります。

 

数値化できない事象はたくさんあります。

それを最適化するには多角的・多面的にものごとを測って「普通」を見つけ出し基準を設定する能力が必要だ、ということです。

 

「センス」とは「知識」からはじまる

この章で述べられている内容が本書内での一番重要なポイントです。

なんせ章のタイトルが本書のタイトルとほぼ一致していますもんね笑

 

すべての仕事において”知らない”は不利

センスとは知識の集積である

というのが筆者の考え方です。

 

例えば、文章を書くことをイメージしたときに、「あいうえお」しか知らない人と、「あ」~「ん」まで知っている人とでは、どちらがわかりやすい文章を書くことができるかは一目瞭然です。

センスがいい文章を書くには、言葉をたくさん知っていたほうが圧倒的に有利である。これは事実です。

 

今回の例は文章でしたが、これは仕事や生活においても同様だと思います。

知識があるだけで可能性を広げることができる。

それはどんなことでも同じのはずです。

 

センスとは、知識にもとづく予測である

知っているか知らないか、あるいは調べるか調べないかで正確な予測ができるかできないかが決まる。

知識の蓄えと予測の繰り返しによりセンスは磨かれていく。

 

と筆者は述べています。

 

「部屋から東京タワーが見えるからこのマンションを買ったのに、目の前に高いビルができて見えなくなっちゃった」

という人がいた場合、センスがいい人でしょうか。

調べることをせず知識による予測をしていない人であり、センスのない人 といえるかもしれません。

 

客観情報の集積がその人にセンスを決定する

センスの最大の敵は思い込みであり、主観性です。

そのため、センスを磨きたいと思ったら、まずは思い込みを捨てて客観情報を集めることこそ重要なステップです。

 

単に流行の情報を集積するだけでなく、客観情報を集める。

この行動が重要です。

これによって、その人にとっての最適を見つけることができます。

どの服が自分にとってふさわしいか という話にもつながるのではないのでしょうか。

 

効率よく知識を増やす三つのコツ

知識を増やす際の3つのアプローチを紹介しています。

  1. 王道から解いていく
    最初に「王道のもの」、いわゆる「定番のもの」は何か、を紐解いていきます。

    王道を知ることで、そのジャンルの製品を最適化する際の指標ができるのです。
    ひとたびこの「基準」を見つけてしまえば、もっと高品質のもの、もっと手軽なもの、もっと機能に特化したもの・・・と知識の幅を広げていきやすくなります。

    さらには基準があることで、獲得した知識も整理されやすくなります。

  2. 今、流行しているものを知る
    王道を知ることができたら次にやることは、流行しているものについての知識を集めます。
    いわゆる「一過性」のものについての知識ですね。王道との両方を知ることで、知識の幅を広げられます。

    時代は常に変化しており、知識を定期的に更新していくことはセンスアップにつながります。

  3. 「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる
    最後に、獲得した知識を分析したり解釈したりすることで、自分なりの知識に精製するプロセスを経ます。

    何がいいもの、悪いものかを理解することで、センスのよいものを作ることができます。

「センス」を磨き、仕事力を向上させる

 

日常の工夫で、思い込みの枠を外す

センスを磨く方法は、知識を集積することと客観的になることです。

逆に言うと、不勉強と思い込みはセンスアップの敵です。

 

思い込みの枠を外す方法として、いつもと違うことをしてみること を筆者は上げています。

 

小さな事でいいのです。

いつも手に取らない雑誌を手にとってみる、いつも見ないテレビ番組を見てみる、いつもしゃべらない会社の部下なり、上司なりとしゃべってみる。


自分という人間の枠組みを決めているのは自分自身です。周りの環境を変えてみることで自分の枠組が変わり、そこからセンスの多様性が育まれていきます。

 

自分のあたりまえを一つひとつ意識し、違うことをやってみることで、いかに自分の生活がルーティンに縛られているのかを実感することができます。

 

「幼児性」で新鮮な感性を取り戻す

センスを磨くには知識が必要ですが、知識を吸収し自分のものとしていくには、感受性と好奇心が必要です。


時にはむき出しの子供になって、何も知らない自分、何もかもを知りたくてたまらない自分になってみましょう。

 

人生の先輩と話してセンスの底上げをする

先輩と飲みに行ったり、一緒に時間を過ごすということは、面倒くさいことが多いかもしれません。

お説教をされるかもしれないし、水割りをずっと作り続けるはめになるかもしれないし。

それでも、経験豊富な人生の先輩と時間を過ごすことにより、面倒くささを上回る収穫がある、と筆者は述べています。

 

人生の先輩たちが持っている知識・知恵・経験といったセンスのかたまりを、自分の中に吸収できるチャンスだということです。

 

つまらない飲み会、つまらない人に遭遇したとしても、それは反面教師という学びのチャンスです。「なんでこの人はこんなことをいうのだろう?」を考え研究することでその知識もまた自分の中ではセンスへと吸収することができます。

 

考え方ひとつで、すべての経験は自分の人生においてプラスに働きますね。

 

おわりに

以上、「センスは知識からはじまる」を紹介しました。

 

この本を読んで思わされてことが主に2つあります。

一つは、まずは知識を増やそうということ。

もう一つは、自分は非常に狭い世界の中で過ごしているんだということです。

自分はまだまだ知識が足りないということですね。

 

本書でも述べられていましたが、自分という枠組みを自分で決めてしまっているので

なかなか新しい知識を得ようとしていなかったなと。

日頃行っていることに対して、小さいところから変化を与えていこうと思います。

 

 

 

 

もし本書に興味が出たら、ぜひ手に取ってみてください。

水野学さんが述べている「センス」を感じることができると思います。